オフィス業務のIT化や新型コロナ禍による働き方の変化などにより、オフィス全体の働き方はこれまでと大きく変わってきています。
それに伴って、企業の運営を円滑にするために必要不可欠であるバックオフィス業務も変えていく必要があるでしょう。
本記事ではこれからの企業運営を円滑にさせるために、必須となるバックオフィスDXについて詳しく解説します。
バックオフィスDXとは?デジタル化で業務を革新する方法
顧客相手であっても、企業相手であっても、会社の業務は大きくフロントオフィスとバックオフィスの2種類に分けられます。
フロントオフィスとは顧客と直接関わる業務を指し、営業・マーケティング・サポート業務などが該当します。
今回取り上げるバックオフィスは顧客と直接関わることが少ない業務 です。
具体的には人事・事務・法務などが該当します。
どちらかといえば自分の会社の社員に対して、働きかける仕事だと認識しておけば良いでしょう。
そして、バックオフィス業務にITやAIなどデジタルツールを導入して、業務の効率化やコスト削減を図るのがバックオフィスDXです。
バックオフィスDXの重要性とその背景
バックオフィスDXの重要性は以前から叫ばれていましたが、重要性が増した最大の理由がコロナ禍によるテレワークや在宅勤務の推進です。
実際にテレワークや在宅勤務を許可する企業は増加の一途を辿っていますが、その一方で企業そのものが完全にテレワークや在宅勤務に対応できていないケースも続発しています。
特に経理・人事などバックオフィスではすべての資料をオンラインで確認できないため、出社せざるを得ないことも多いです。
さらに自社がテレワークなどに対応していても、取引先が対応していないと、会社のオフィスで対応するしかありません。
しかし、これからはテレワークや在宅勤務が当たり前の時代になってくるため、どの企業でもバックオフィスDXを導入しなければならなくなるでしょう。
DXによるバックオフィス効率化のメリット
バックオフィスDXを推進することで、様々なメリットが得られます。
なかでも最大のメリットは、会社の運営をスピードアップさせられる点です。
経理・財務・法務など企業の管理業務を人の手で実行すると、手間と時間がかかるうえにチェックミスによるヒューマンエラーが発生する恐れがあります。
管理業務をデジタル化することで、人手を減らせる上にチェックミスが無くなり、何よりチェックにかかる時間を大幅に削減できます。
業務を効率化させる事によって、会社の経営そのものをスピードアップさせられます。
余った時間は別の業務に費やすことで、より企業の活性化を図れるでしょう。
また、目に見えてコスト削減効果が得られますし、仕事に必要な資料をすべてオンライン化できれば、テレワークやフレックスタイムなど多様な働き方が可能になるので、企業のイメージアップにもつながります。
バックオフィスDXに活用できる具体的なツールと機能
バックオフィス化を円滑に進めるために、有効なツールが数多く登場しています。
本章ではそのなかでも多くの企業が導入している、MoneyForward(マネーフォワード)、Teamspirit(チームスピリット)、SalesForce(セールスフォース)の3つを紹介します。
MoneyForwardは主に財務など、お金に関する管理を円滑にするために有効なツールです。
一般用のアプリも開発されていて、日々の家計簿代わりに利用している人も多いのではないでしょうか。
MoneyForwardでは企業用のツールも開発、提供しており、利用することで経費や資産、給与計算など経理計算の負担や時間が大幅に軽減されることでしょう。
Teamspiritは主に会社の運営を円滑にするための業務を効率化させてくれるツールで、勤怠管理・プロジェクト管理や工数管理・稟議書類の電子化・人事情報や社員情報の管理などが可能です。
導入することで業務の現状を全社員が把握できるようになり、情報も簡単に共有できるといったメリットがあります。
SalesForceはこれから顧客となるであろう相手との接点を強化できるツールで、導入することで成約させるまでのプロセスを効率化でき、ビジネスチャンスを逃すことがなくなります。
特にマーケティングリサーチ能力に優れており、営業業務の負担が大幅に軽減されることでしょう。
バックオフィスDX成功のためのポイントと注意点
バックオフィスDXを推進することでバックオフィス業務は確実に簡略化・効率化させられますが、一方でこれまでの業務とは大幅に変化するのも事実です。
バックオフィスはフロントオフィスと比べるとデジタル化が進んでおらず、紙中心のアナログな業務が残存していたり、慢性的な人手不足といった問題が山積しています。
そのため、一度に導入すると現場が大混乱を起こし、却って業務は複雑化するでしょう。
バックオフィスをまずは部門ごとに分け、導入できそうな部門から順次導入させる「スモールスタート」による導入がバックオフィスDX成功の秘訣です。
例えば人事部門でバックオフィスDXを導入し、成功すれば経理部門へ横展開していく、といった進め方をすれば大きな混乱もなく自然に会社全体のバックオフィスDX化を成功させられることでしょう。
まとめ
バックオフィスDXは、これから企業がさらなる成長を遂げるために必須ともいえるべきシステムです。推進することで社員の業務負担が軽減されますし、リモートワーク・在宅勤務・フレキシブル制度の導入実現など働き方も自由になります。
これからの日本は働き手が減少していく一方で、どの業界も人手不足となることは必須です。
より自分にとって働きやすい企業が選ばれるため、バックオフィスDXを導入できた企業は求人の際にも大きなアピールポイントとなることは間違いありません。
まずはひとつの部署からで良いので、少しずつバックオフィスDX化を推し進めていき、競合相手に差をつけましょう。